物理的な「修正パッチ」を、手の中で成形する。Sugruという魔法。
物理的な「修正パッチ」を、手の中で成形する。
ソフトウェアにはバグがあれば、パッチを当てる。
では、現実の道具に「バグ」があったら?
諦めて新しいものを買う?
いや、Sugru(スグル)があれば、「現実をリファクタリング」できる。
これは、粘土のように成形できるシリコン接着剤だ。
24時間で硬化し、ゴムのような弾力を持つ固形物になる。
つまり、物体に「カスタムパーツ」を後付けできる魔法の素材。
仕様: 常温硬化型シリコンゴム
Sugruの主成分は、室温硬化型のシリコーンポリマー。
開封直後は粘土のように柔らかく、どんな形にも成形可能。
空気中の水分と反応し、約24時間で完全硬化する。
硬化後の特性は以下の通り:
- 耐熱性:-50°C〜180°C
- 耐水性:完全防水(水中でも使用可能)
- 接着力:プラスチック、金属、木材、ガラス、陶器に対して強固
- 柔軟性:硬化後もゴムのような弾力を保持
これは、3Dプリンタを持っていない人のための、手動3Dモデリングだ。
検証: ケーブルの補強からグリップ改良まで
私が最初に修復したのは、iPhoneの充電ケーブルだった。
根元が断線しかけており、いつ使えなくなってもおかしくない状態。
Sugruを根元に巻きつけ、指で成形。
24時間後、そこには柔軟でありながら強靭な「補強材」が生まれていた。
それ以来、3年間使い続けている。
また、マウスのグリップ部分に薄く塗布し、滑り止めとしても活用した。
「あと少しだけ、こうだったらいいのに」という微妙な不満を、
プログラマブルに調整できる快感。
感触: 物質を「コード」のように扱う
Sugruを手で捏ねる感覚は、不思議と落ち着く。
デジタルの仕事ばかりしていると、「触覚」が飢える。
キーボードを叩く指先以外の感覚が、退化していく気がする。
でも、粘土のような素材を成形する行為は、脳の別の領域を活性化させる。
これは、物理世界への「Pull Request」だ。
「ここをこう変えたい」という意図を、手で直接コミットする。
マージされるのは24時間後。
そのプロセス全体が、静かな満足感をもたらす。
結論: 物理世界のメンテナブル化
ソフトウェアは変更可能だが、物理世界は固定されていると思い込んでいた。
でも、Sugruはその境界を曖昧にする。
壊れたものを捨てずに修復し、不便なものを改造する。
それは、サステナビリティでもあり、創造性でもある。
私たちは、もっと自由に「現実」を編集していい。
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